新しい洗濯機、特に憧れのドラム式を購入した際、設置当日に「防水パンのサイズが合わないため設置できません」と業者さんに言われてしまうケースは少なくありません。
せっかく届いたのに持ち帰られてしまうショックは大きいですが、実は事前の計測ミスや住宅側の古い規格とのギャップが原因であることがほとんどです。
防水パンには「外寸」と「内寸」があり、さらに洗濯機の設置には、排水口の位置や蛇口の高さといった複数の要素が絡み合っています。特に賃貸物件では、勝手に工事ができないため、かさ上げ台などの便利なアイテムを活用した工夫が求められます。
この記事では、計測のポイントから具体的な解決策、さらには業者に依頼した場合の交換費用まで、私の実体験を交えて詳しく解説します。
この記事を読めば、サイズの問題をクリアして、安心して新しい洗濯機を迎え入れる準備が整うはずです。
- 防水パンの「有効内寸」を正確に測り、設置トラブルを未然に防ぐ方法
- かさ上げ台を使って物理的な干渉や排水ホースの接続問題を解消する手順
- 賃貸物件でも可能な交渉術と、壁ピタ水栓などの周辺設備の対策
- 防水パン交換の費用相場と、設置後の掃除や収納を劇的に楽にする工夫
洗濯機と防水パンのサイズが合わない原因と対策
洗濯機の設置がスムーズにいかない最大の理由は、防水パンの規格と洗濯機本体のサイズが物理的に衝突しているからです。
まずは現状を正しく把握し、どのような対策が最適かを見極めることから始めましょう。
内寸と外寸を正しく把握するサイズ計測方法

洗濯機の設置可否を判断する際に、最も多くの方が陥りやすい間違いが、防水パンの「外寸」だけでサイズを判断してしまうことです。
防水パンには水漏れを防ぐための高い「縁(立ち上がり)」があり、実際に洗濯機の脚が乗る平らな部分は、その縁の内側にある「有効内寸」だけです。カタログに記載されている「最小設置内寸」は、まさにこの平らなスペースの広さを指しています。
外寸が64cmあっても、縁が太ければ内寸は58cmほどしかない場合もあり、大型のドラム式洗濯機の脚が乗らないという事態が起こります。
計測の際は、メジャーを床と平行に保ち、四隅にある角の丸み(アール)を除いた「完全にフラットな部分」の横幅と奥行きを測ってください。また、最近の防水パンは四隅が一段高くなっているタイプもありますが、その「上面の広さ」も重要です。
もし計測の結果、内寸が数ミリでも足りない場合は、脚が縁に乗り上げて不安定になり、脱水時の激しい振動で洗濯機が移動したり、故障したりする原因となります。
正確な設置基準については、業界団体のガイドラインを確認することをお勧めします。(出典:一般社団法人日本電機工業会「設置する時のポイント」)
ドラム式洗濯機が入らない物理的干渉のパターン

ドラム式洗濯機は、縦型に比べて奥行きがあり、重量も80kgを超えるモデルが多いため、防水パンとの相性は非常にシビアです。
脚が内寸に収まったとしても、本体下部の駆動部を覆うパネルがパンの縁に当たって浮いてしまったり、前面の扉が大きく突き出して洗面所のドアと干渉したりするケースが目立ちます。また、ドラム式は脱水時の振動が横方向に強くかかるため、パンに十分な剛性がないと中央がたわみ、本体底面とパンが接触して異音を発することもあります。
さらに盲点となるのが「壁との距離」です。防水パンの端に寄せて設置できたとしても、壁から出ている水栓(蛇口)が本体にぶつかってしまい、奥まで押し込めないという失敗も多いです。
ドラム式は背面の振動も大きいため、壁から数センチ離して設置することが推奨されています。購入前には、本体の「脚の位置(レッグピッチ)」だけでなく、扉を開けた際の軌道も含めた「最大外形寸法図」を必ず確認し、自宅の脱衣所全体の動線に無理がないかシミュレーションしておくことが大切です。
最新のドラム式は洗剤自動投入タンクなどの搭載により、奥行きが70cmを超えるものも増えています。
パンのサイズだけでなく、搬入経路(玄関や廊下の幅)の確認も忘れないでください。
かさ上げ台で隙間を作り掃除や振動対策を行う方法

防水パンのサイズが少し足りない、あるいは排水口が真下にあってホースが接続できないといった問題を一気に解決してくれるのが「かさ上げ台」の設置です。防水パンの四隅に設置するブロック状の台で、洗濯機を5cm〜10cmほど高く持ち上げることができます。
これにより、パンの縁をまたいで脚を設置できるようになり、内寸不足をカバーできるだけでなく、本体とパンの間に広々とした空間が生まれます。この空間のおかげで、排水ホースが押しつぶされるのを防ぎ、さらにはハンディモップなどで洗濯機の下を簡単に掃除できるようになります。
かさ上げ台を選ぶ際は、素材の質と耐荷重に注目してください。ドラム式を置く場合は、防振性能の高い特殊ゴムを採用した製品が理想的です。振動が階下に響くのを抑える効果も期待できます。
キャスター付きで移動できるタイプも人気がありますが、ドラム式の激しい振動でストッパーが外れて動いてしまうリスクがあるため、私は安定感のある「据え置きタイプ」をお勧めします。設置の際は、洗濯機が水平でないとエラーの原因になるため、必ず水準器を使用して、台の高さが均一であることを確認してください。

かさ上げ台を導入するメリット
- 内寸が足りない防水パンでも大型洗濯機を設置できる可能性が高まる
- 排水ホースの通り道を確保し、排水エラーや水漏れを防げる
- 洗濯機の下に手が届くようになり、カビや埃の堆積を防止できる
- 腰の位置が高くなるため、洗濯物の出し入れが楽になる
賃貸物件でサイズが合わない場合の管理会社への相談

賃貸物件にお住まいの場合、備え付けの防水パンは建物の所有者の財産であるため、勝手に取り外したり穴を開けたりすることはできません。
もしサイズが合わずに困った時は、まず管理会社や大家さんに連絡し、「新しい洗濯機を安全に設置したいが、今のパンでは水漏れのリスクがある」と相談してみましょう。築年数が経過している物件であれば、設備の老朽化を理由に、オーナー負担で最新のサイズ(640mm×640mmなど)に交換してもらえるケースもあります。
もし入居者負担での交換を提案された場合でも、退去時に元の古いパンに戻す(原状回復)必要があるのか、あるいは新しいパンを残していって良いのかを確認し、合意内容は必ずメールなどの記録に残しておいてください。
交渉が難しい場合は、建物を傷つけない「置き型のかさ上げ台」で対応するのが最も現実的です。
また、古い物件では排水口が汚れで詰まりやすくなっていることもあるため、設置前に排水管の洗浄を依頼するなど、水漏れトラブルを未然に防ぐためのコミュニケーションを取っておくことが、将来のトラブル回避に繋がります。
蛇口の高さが足りない時の壁ピタ水栓への交換

かさ上げ台を使って洗濯機を持ち上げた結果、今度は「壁の蛇口と洗濯機がぶつかってしまう」という新たな問題が発生することがあります。特に背の高いドラム式洗濯機や、洗剤投入口が上面にあるモデルでは、この蛇口の干渉が命取りになります。
これを解決する画期的なアイテムが「壁ピタ水栓」です。既存の蛇口を取り外し、配管の出口を数センチ上方に延長して蛇口を付け替えることができる部材で、これにより洗濯機を壁際までしっかり寄せることが可能になります。
壁ピタ水栓への交換は、見た目がすっきりするだけでなく、緊急止水弁(オートストッパー)付きのタイプを選べば、万が一ホースが外れた際にも瞬時に水が止まるため、安全性も向上します。
作業には元栓を閉める必要があり、接続部の止水処理に技術を要するため、水漏れを防ぐ意味でも水道業者へ依頼することをお勧めします。工賃を含めると数万円の出費となりますが、洗濯機を買い替えるたびに悩まされることがなくなるため、長期的に見れば非常に効率の良い対策です。
なお、賃貸の場合は退去時に元の蛇口に戻す必要があるため、外した部品は箱に入れて大切に保管しておきましょう。
- 洗濯機をかさ上げした後の「天板の高さ」を正確に測る
- 蛇口が何センチ上に移動すれば本体に干渉しないかを確認する
- 水道業者に「壁ピタ水栓への交換」の見積もりを依頼する
- 賃貸の場合は、作業前に管理会社の許可を得る
排水ホースの取り回しを改善して水漏れを防ぐ工夫
サイズがギリギリの状態で洗濯機を設置する際に、最も神経を使うべきなのが排水ホースの取り回しです。
防水パンの内寸に余裕がないと、洗濯機の底面で排水ホースが押しつぶされてしまい、スムーズな排水を妨げることがあります。ホースが潰れると排水エラーが頻発するだけでなく、ホース内に溜まった汚れが腐敗して悪臭を放ったり、最悪の場合はホースの接続部が外れて水浸しになったりする恐れがあります。
対策としては、かさ上げ台で十分な高さを確保し、ホースが急な角度で折れ曲がらないように「緩やかなカーブ」を描かせて排水口へ繋ぎましょう。洗濯機の真下に排水口がある場合は、L字型の専用エルボを使用し、ホースが本体に踏まれないように固定してください。
また、ホースが長すぎる場合は、中でループを作らないよう、設置環境に合わせて適切にカットすることも検討しましょう。
私は定期的に排水ホースが抜けていないか、じわじわと水が滲んでいないかを目視でチェックするようにしています。水回りのトラブルは早期発見が被害を最小限に抑える唯一の方法です。
洗濯機の防水パンのサイズが合わない時の交換費用
かさ上げなどの工夫では解決できないほどサイズが異なる場合や、パン自体がひび割れているような状況では、防水パンの交換工事が必要になります。
どれくらいの費用がかかるのか、具体的な目安を整理しました。
業者に依頼した際の工事費用の相場と地域差

防水パンの交換工事をプロに依頼する場合、費用は大きく「商品代」「工事費」「廃棄費用」の3つで構成されます。標準的な工事であれば、総額で25,000円〜45,000円程度が相場となります。
ただし、古いパンを取り外した際に床材が腐食していたり、排水管の位置自体を移動させる大規模な工事が必要になったりする場合は、50,000円を超えることもあります。
| 工事の内訳 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 防水パン本体(標準サイズ) | 6,000円 〜 15,000円 | 形状やメーカーにより変動 |
| 基本交換工賃 | 15,000円 〜 25,000円 | 既存パンの取り外しを含む |
| 廃材処分費用 | 3,000円 〜 5,000円 | 産業廃棄物としての処理 |
| ドラム式洗濯機の移動 | 5,000円 〜 10,000円 | 重量物のため加算される場合あり |
地域差については、大都市圏では業者が多く競合しているため安価なプランも見つかりやすいですが、駐車料金などの諸経費が別途かかる場合があります。一方、地方では対応できる業者が限られ、出張費用が加算されることもあります。
必ず2〜3社から見積もりを取り、単に金額だけでなく「排水トラップの新品交換が含まれているか」「作業後の漏水保証があるか」を確認しましょう。水漏れ事故は一度起きると数百万円の賠償に繋がることもあるため、信頼できる水道局指定工事店などに依頼するのが安心です。
防水パンをまたぐラックや突っ張り棚の活用術
サイズの問題を解決して無事に洗濯機が設置できたら、次に考えたいのが「収納」です。
防水パンがあると足元に段差ができるため、市販の一般的なランドリーラックは脚がガタついて置けないことがあります。そこで便利なのが、「段差対応(アジャスター付き)」のラックです。左右の脚の長さを個別に調整できるため、片方の脚を防水パンの縁に、もう片方を床に置いても、棚板を水平に保つことができます。
また、床のスペースに余裕がない狭い脱衣所では、天井と床で支柱を固定する「突っ張り式」の棚が非常に役立ちます。防水パンと壁のわずかな隙間に支柱を立てられるため、洗濯機の上の空間を最大限に活用できます。洗剤や柔軟剤を手の届く高さに置くことで、毎日の洗濯動線が劇的にスムーズになります。
突っ張り式を選ぶ際は、地震時の揺れにも強い、二本支柱タイプや耐震補強が施されたモデルを選ぶと、より安全に家事を進めることができます。
防水パンなしで直置きする際のリスクと床の保護
最近では、見た目のすっきりさを優先して「防水パンを設置せずに洗濯機を直置きしたい」という要望も聞かれます。
確かに海外のおしゃれなランドリールームのようになりますが、日本の多くの住宅、特に集合住宅においては、防水パンなしの設置は非常にリスクが高い行為です。
防水パンの本来の目的は、万が一の漏水時に「ダム」として水をせき止め、階下への浸水を防ぐことにあります。パンがない状態で水が漏れれば、一瞬で床材を腐食させ、下の階の住人に多大な迷惑をかけてしまいます。
もしどうしても直置きを検討される場合は、最低限の対策として、排水機能はありませんが「防水トレー」を敷くか、ポリカーボネート製の透明な保護マットを敷くようにしてください。これにより、洗濯機の振動による床の凹みや、結露によるカビの発生を抑えることができます。
しかし、賃貸物件やマンションの管理規約で防水パンの設置が義務付けられている場合は、独断での撤去は絶対に避けてください。利便性やデザインよりも、まずは「住まいを守る」ための安全性を最優先に考えることが、長く快適に暮らすための秘訣です。
戸建ての2階以上に洗濯機を設置する場合も同様です。水漏れが起きた際の修繕費用は数百万円単位になることもあるため、専門家と相談の上で慎重に判断してください。
まとめ:洗濯機と防水パンのサイズが合わない時の解決策

洗濯機と防水パンのサイズが合わないという状況は、パニックになりがちですが、一つずつ確認していけば必ず解決の糸口が見つかります。
まずは外寸に惑わされず、実際に脚が乗る「有効内寸」を正確に測ること。そして、数センチの不足であれば、かさ上げ台や壁ピタ水栓といった補助部材を賢く活用して、物理的な干渉を回避しましょう。
賃貸物件の場合は、管理会社との事前のコミュニケーションが、トラブルを防ぎつつ理想の設置環境を手に入れるための近道となります。
水回りの設備は、一度設置すると10年近く使い続けるものです。目先の安さや設置の早さだけでなく、将来の掃除のしやすさや、もしもの時の安全性を十分に考慮した選択をしてください。
自分一人で判断するのが不安な時は、信頼できる設置業者さんに現地を見てもらい、プロの視点でアドバイスをもらうのが一番の安心材料になります。皆様の洗濯機周りの悩みがスッキリと解決し、新しい洗濯機での生活が楽しく始まることを心から願っています。
※記事内で紹介した費用や工法は一般的な目安です。お住まいの地域、住宅構造、契約内容により大きく異なる場合があります。最終的な判断や施工にあたっては、必ず専門の工事業者や管理会社に詳細をご確認ください。最新の製品仕様はメーカー公式サイトでチェックすることをお忘れなく。
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