洗濯槽に浮いたカビの取り方を解説!代用品で撃退するコツ

洗濯槽の内部に大量に浮いたワカメ状のカビ汚れ(バイオフィルム)を見て不安そうな表情を浮かべる日本人女性の様子。 家事の時短
※当サイトではアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用して商品を紹介しています。

久しぶりに洗濯機の蓋を開けて中を覗いたとき、あるいは洗濯が終わった衣類に黒いピロピロとした汚れが付着しているのを見つけたとき、背筋が凍るような思いをしたことはありませんか?

通称「ワカメ」と呼ばれるその汚れの正体は、洗濯槽の裏側にびっしりと繁殖した黒カビや石鹸カスの塊です。

「今すぐきれいにしたいけれど、専用の洗濯槽クリーナーを買いに行く時間がない」「家にある洗剤でなんとか代用できないか」と考える方は非常に多いです。

実は、特別な洗剤をわざわざ買い足さなくても、オキシクリーンやキッチンハイターといった家庭にある一般的な漂白剤を使えば、プロ顔負けの洗浄効果を得ることが十分に可能です。

この記事では、専用洗剤の代用品として使える漂白剤の正しい選び方や、汚れを根こそぎ落とすための具体的な手順について詳しく解説します。

また、カビをすくい取るためのネットがない場合に、ハンガーとストッキングを使って自作する裏技アイテムの作り方もご紹介します。

  • 専用クリーナーがなくても「酸素系」や「塩素系」漂白剤で代用できる
  • すくい網がない時はハンガーとストッキングで最強のネットが作れる
  • カビが出続ける「ワカメ地獄」に陥った時の対処法
  • 月1回の簡単な習慣で黒カビを完全に予防する方法

洗濯槽に浮いたカビの取り方解説!代用洗剤の正解

洗濯槽の掃除と聞くと、ドラッグストアで売られている「洗濯槽専用クリーナー」が必要だというイメージが強いかもしれません。もちろん専用品は優秀ですが、成分を見てみると、実は家庭にある漂白剤とほとんど同じ成分が使われていることが多いのです。

重要なのは「専用か代用か」ではなく、「汚れをどう落としたいか」に合わせて、酸素系と塩素系を正しく使い分けることです。

ここでは、それぞれの漂白剤が得意とする汚れの落ち方や、代用する際の注意点について深掘りして解説します。

オキシクリーンなど酸素系漂白剤で剥がし取る

45度から50度のお湯に溶けた酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)が、洗濯槽内で大量の泡を発生させ、汚れを剥がしている様子をイメージしたビジュアル。

洗濯槽の中に浮いてきたワカメのような汚れを、視覚的にごっそりと取り除きたい場合に最もおすすめなのが、「オキシクリーン」に代表される酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)です。

酸素の泡が汚れを物理的に剥がす

酸素系漂白剤の最大の特徴は、お湯に溶けたときに発生する発泡力です。

40℃~50℃のお湯に溶かすと、過炭酸ナトリウムが化学反応を起こし、大量の酸素の泡が発生します。この微細な泡が、洗濯槽のステンレス槽と外槽のわずかな隙間に入り込み、こびりついたバイオフィルム(汚れの膜)を内側から押し上げるようにして剥がし取ります。

塩素系漂白剤が汚れを「溶かす」のに対し、酸素系は「剥がす」力が強いため、長期間掃除をしていない洗濯機に使うと、まるでホラー映画のように大量のワカメが浮いてきます。

この光景は衝撃的ですが、「これだけ汚れていたものをきれいにできた」という強烈な達成感を得られるのも、酸素系漂白剤を使う大きなメリットと言えるでしょう。

代用に適した酸素系漂白剤の選び方

代用品として使う場合、成分表示に「過炭酸ナトリウム」または「過炭酸ソーダ」と書かれている粉末タイプを選んでください。

オキシクリーンには「日本版(無発泡タイプ)」と「アメリカ版(界面活性剤入り)」がありますが、洗濯槽掃除においては、泡立ちの良いアメリカ版の方が汚れを吸着して浮かせやすい傾向にあります。

もちろん、100円ショップやドラッグストアで売られている純粋な過炭酸ナトリウムの粉末でも十分な効果を発揮します。

液体の酸素系漂白剤は?

「ワイドハイター」などの液体酸素系漂白剤(過酸化水素)は、粉末タイプとは成分が異なり、洗濯槽の固まった汚れを剥がすパワーは弱いため、洗濯槽掃除には向きません。
必ず「粉末タイプ」を使用してください。

キッチンハイターなど塩素系漂白剤で溶かす

酸素系漂白剤で時間をかけて汚れを剥がすのが面倒な場合や、すくい取る作業を省略したい場合に有効なのが、キッチンハイターや衣類用ブリーチなどの塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)による代用です。

化学の力で汚れを分解・消滅させる

塩素系漂白剤は、非常に強力な酸化力を持っています。この力によって、カビや雑菌などの有機物を化学的に分解し、ドロドロに溶かして水に流せる状態にします。

酸素系のように汚れが固形のまま浮いてくることは少ないため、視覚的なインパクトには欠けますが、その分、カビの根元まで浸透して死滅させる殺菌力は圧倒的です。

カビをすくう作業をしたくない」「時間がないので手っ取り早くきれいにしたい」という場合は、こちらを選びましょう。

ボトルに記載されている使用量を守り、洗濯槽に投入して標準コースで回すだけで完了します。洗濯槽洗浄用の分量の記載がない場合は、漂白用の分量を目安にしてください。

衣類用と台所用の違いは?

代用する場合、「衣類用ハイター」と「キッチンハイター」のどちらを使えばいいのか迷うかもしれません。

基本的にはどちらも主成分は次亜塩素酸ナトリウムなので、大きな違いはありません。

ただし、キッチンハイターには洗浄力を高めるための界面活性剤(洗剤成分)が含まれていることが多く、汚れへの浸透力が高い場合があります。

自宅に余っている方を使えば問題ありませんが、色柄物用の酸素系液体漂白剤と間違えないように注意してください。

酸性洗剤との併用は厳禁

塩素系漂白剤は「混ぜるな危険」です。
クエン酸や酢、酸性タイプの洗剤と混ざると有毒な塩素ガスが発生し、命に関わる危険性があります。酸素系漂白剤を使った直後に塩素系を使う場合も、必ず成分が残らないよう十分にすすぎを行ってから使用してください。

重曹やクエン酸は頑固な汚れには不向き

洗濯槽の底に残った溶けきらない重曹の粉末と、サビのイメージ。重曹やクエン酸の使用が洗濯機の故障リスクにつながることを警告する様子。

SNSやインターネット上のライフハック情報で、「重曹やクエン酸を使ったナチュラルクリーニング」が紹介されることがありますが、洗濯槽にこびりついた頑固なカビ汚れを落とす目的では、これらを使うことはおすすめできません。

重曹の洗浄力不足と溶け残りのリスク

重曹は弱アルカリ性(pH8.2程度)であり、酸性の皮脂汚れを中和する働きや研磨作用を持っています。

しかし、洗濯槽に何年も蓄積した分厚いバイオフィルムを分解して剥がすほどの強い化学的な力は持っていません。消臭効果や軽い汚れ落としには有効ですが、ワカメ状のカビを撃退するには力不足です。

さらに厄介なのが、重曹の水への溶けにくさです。洗濯槽掃除には大量の洗浄成分が必要ですが、重曹を大量に入れると溶け残りが生じやすく、それが排水経路や水位センサーに詰まって故障の原因になることがあります。

メーカーも使用を推奨していない

実際、大手家電メーカーであるパナソニックも、公式サイトにおいて、重曹やクエン酸を洗剤代わりに使うことについて注意喚起を行っています。

洗浄力が不十分なだけでなく、洗濯機の不具合につながる可能性があるためです。

(出典:パナソニック株式会社 よくあるご質問「【洗濯機全般】重曹・お酢・クエン酸などを洗剤代わりに使いたい。」

クエン酸による金属腐食のリスク

クエン酸やお酢は酸性です。

洗濯槽の裏側には、ドラムを支える「フランジ(スパイダー)」などの金属部品が使われていることが多く、これらはアルミ合金などで作られています。酸性の液体に長時間触れると、これらの金属部品が腐食してサビが発生し、最悪の場合は部品が折れて洗濯機が壊れてしまうリスクがあります。

洗濯機を長く大切に使いたいのであれば、専用クリーナー、あるいは適切な漂白剤を使用しましょう。

ドラム式洗濯機はオキシ漬け不可の場合がある

ここまでの説明は主に「縦型洗濯機」を想定していますが、ドラム式洗濯機をお使いの方は、酸素系漂白剤での代用(いわゆるオキシ漬け)には特に慎重になる必要があります。

構造的に「浸け置き」が難しい

縦型洗濯機は槽全体に水を溜めることができますが、ドラム式洗濯機は斜めに設置されたドラムの下部に少量の水を溜めてたたき洗いをする構造になっています。

そのため、ドアを開けた状態で槽全体をお湯で満たすことができず、上部の汚れまで洗剤を行き渡らせるのが困難です。

泡による誤作動と故障のリスク

さらに問題なのが「泡」です。酸素系漂白剤は発泡することで汚れを落としますが、ドラム式洗濯機は密閉性が高く、泡が大量に発生するとセンサーが「泡が多すぎる」と検知します。すると、自動的に泡消し運転(排水)が始まってしまったり、泡が制御基板やモーター部分に溢れ出して漏電や故障の原因になったりすることがあります。

一部のドラム式洗濯機には「槽洗浄コース」で酸素系漂白剤の使用を認めている機種もありますが、多くのメーカーではドラム式には塩素系クリーナーの使用を推奨しています。

ご自宅の洗濯機の取扱説明書を必ず確認し、「酸素系漂白剤不可」や「泡立つ洗剤不可」の記載がないかチェックしてください。不安な場合は、ドラム式専用のクリーナーを使うのが最も安心です。

お湯の温度がカギ!効果的な洗浄の手順

最適な効果を引き出すために、給湯器で45℃〜50℃に設定したお湯を洗濯槽に注ぎ入れ、温度を調整している日本人。

酸素系漂白剤を代用品として使う場合、その効果を左右する決定的な要因は「お湯の温度」です。冷たい水を使ってしまうと、漂白成分が活性化せず、カビを剥がす力が激減してしまいます。

最適な温度は45℃~50℃

過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)が最も活発に反応し、酵素と酸素の泡の力が最大化するのが45℃から50℃です。お風呂の給湯温度を最高(50℃や60℃)に設定してバケツで運ぶか、残り湯に沸騰させたお湯を足して調整しましょう。

ただし、60℃を超える熱湯は、洗濯機の樹脂パーツを変形させたり傷めたりする可能性があるため避けてください。

酸素系漂白剤を使った洗濯槽洗浄のステップ

  1. お湯を溜める:洗濯槽の高水位まで45~50℃のお湯をたっぷりと溜めます。お風呂の残り湯を使う場合、入浴剤が入っていないものを使用してください。
  2. 洗剤を投入:お湯10リットルに対し約100gを目安に、酸素系漂白剤を一気に入れます。一般的な縦型洗濯機(満水50L~60L)なら500g~600g程度です。ケチらずたっぷり使うのがコツです。
  3. 撹拌(かくはん):「洗い」コースのみを設定し、5分~10分ほど運転します。洗剤を完全にお湯に溶かし、発泡させます。この時点で既に汚れが浮き始めます。
  4. 放置:運転を停止し、そのまま2時間~6時間ほど放置します。この間にアルカリ成分が汚れの奥まで浸透し、バイオフィルムをふやかします。あまり長く放置すると、剥がれた汚れが再付着したり、洗濯槽を傷めたりすることがあるため、一晩(8時間程度)を限度としましょう。
  5. すくい取り:浮いてきたワカメ状の汚れをネットで丁寧にすくい取ります。その後、「洗い」→「すくい取り」を汚れが出なくなるまで数回繰り返し、最後に脱水までするフルコース運転を行います。

洗濯槽に浮いたカビの取り方|すくい網の代用テク

酸素系漂白剤を使って掃除をする際、最も手間がかかるのが「浮いてきた汚れをすくい取る作業」です。これをしっかりやらないと、排水時にホースが詰まったり、すすぎのたびに汚れが逆流してきたりします。

しかし、専用のゴミ取りネット(金魚すくいのような網)が手元にないことも多いでしょう。

すくい網がない時はハンガーとストッキングを活用

クリーニング店のワイヤーハンガーと伝線したストッキングを使って、洗濯槽の汚れをすくい取るために自作した高性能なゴミ取りネット。

そんな時におすすめしたいのが、クリーニング店でもらう「ワイヤーハンガー(針金ハンガー)」と「使い古したストッキング」を使った自作ネットです。

これが実は、市販のネット以上に高性能なカビ取りアイテムになります。

自作ネットの作り方

  1. ワイヤーハンガーの下辺(ズボンをかける部分)の中央を持ち、下方向に強く引っ張って、ひし形や円形に変形させます。これがネットの枠になります。
  2. ハンガーのフック部分を持ち手にします。使いやすい角度に曲げてもOKです。
  3. ストッキング(伝線したもので構いません)をハンガーの枠に被せます。
  4. ストッキングがピンと張るように調整し、根元(フックの下あたり)でしっかりと結びます。余った部分はハサミで切るか、邪魔にならないように巻き付けます。

なぜ市販品より優れているのか

100円ショップなどで売られているネットは網目が比較的粗く、微細なカビの粒子やヌメリまですくうことができません。しかし、ストッキングの繊維は非常に細かいため、水中の小さな黒いカスも逃さずキャッチできます。

さらに、ワイヤーハンガーは自由に変形できるため、先端を少し尖らせれば洗濯槽の底の角や、パルセーター(回転羽根)の隙間など、普段は手が届かない場所の汚れもスムーズにすくい取ることができます。

使用後はドロドロの汚れがついたストッキングを裏返して捨てるだけなので、ネットを洗う手間もありません。

カビがいつまでも出続ける時は塩素系でリセット

カビがいつまでも出続ける時は塩素系でリセット

酸素系漂白剤で掃除をした後、何度すすぎをしても、脱水するたびに新しい黒いカスが出てくる…。この絶望的な状態を通称「ワカメ地獄(エンドレス・ワカメ)」と呼びます。

これは、剥がれかけた汚れがまだ槽内の見えない場所に残っているか、中途半端にふやけた汚れが徐々に排出され続けているサインです。

物理除去を諦めて化学分解へシフトする

この状態になったら、ネットですくい続ける物理的な除去は一旦諦めましょう。無理に続けようとすると、水と時間の無駄遣いになってしまいます。

アプローチを切り替え、残った汚れを化学的に「溶かして消す」作戦に出ます。

一度洗濯槽の水を空にしてから、再度水を高水位まで溜めます。そこに塩素系漂白剤(キッチンハイターや衣類用ハイター)を適量投入し、「洗い」から「脱水」までの標準コースを一回運転します。投入量はボトルの表示に従ってください、通常は200ml〜500ml程度です。

塩素の強力な分解力が、剥がれ残ったカビやヌメリを完全に溶かし、排水とともに流し去ってくれます。これでワカメ地獄から脱出できるはずです。

掃除の頻度は?月に1回で黒いカスを予防

苦労してカビを取り除いた後は、二度とあの恐ろしいワカメを見たくないものです。そのためには、汚れが分厚く堆積して層になる前に、こまめにリセットすることが重要です。

理想的な掃除の頻度は「月に1回」です。

予防掃除なら塩素系を入れるだけでOK

「毎月あの面倒なオキシ漬けをするの?」と思われるかもしれませんが、その必要はありません。汚れが溜まっていない状態であれば、月に1回、衣類用の塩素系漂白剤やカビキラー(洗濯槽用)を投入して、通常の洗濯コース(槽洗浄コースがあればベスト)で回すだけで十分です。

この「簡易洗浄」を毎月のルーティンにしてしまえば、カビが大きく成長する前に芽を摘むことができ、ワカメが発生することはまずありません。カレンダーに丸をつけるか、スマホのリマインダー機能を活用して、「毎月1日は洗濯機の日」と決めてしまうのがおすすめです。

普段の洗濯でできるカビ予防のポイント

カビの発生を防ぐため、洗濯機の使用後は必ず蓋を大きく開け、洗濯槽内部をしっかりと乾燥させている様子。

月に1回の掃除に加えて、日々の洗濯習慣を少し見直すだけで、カビの発生リスクを劇的に下げることができます。カビが好む「水分」「栄養(汚れ)」「温度」の条件を揃えないことがポイントです。

カビを防ぐ3つの鉄則
  • 使用後は必ず蓋を開ける:洗濯が終わったら、必ず蓋を開けっ放しにして槽内を乾燥させましょう。湿気がこもることがカビの最大の原因です。ドラム式の場合もドアを少し開けておきます(お子様やペットがいるご家庭はチャイルドロック等の安全対策を必ずおこなってください)。
  • 洗濯カゴを使う:脱いだ服を直接洗濯機の中に放り込んでいませんか?汗や皮脂を含んだ湿った衣類を密閉空間に放置すると、洗濯する前からカビの培養が始まってしまいます。通気性の良い洗濯カゴを使いましょう。
  • 洗剤は適量を守る:「汚れをしっかり落としたい」と洗剤や柔軟剤を多めに入れるのは逆効果です。すすぎきれなかった成分が槽内に残留し、カビにとって最高の栄養源(エサ)になってしまいます。洗剤の自動投入機能を使うか、計量を正確に行うことが、結果的に洗濯機を清潔に保つことにつながります。

洗濯槽に浮いたカビの取り方まとめ:洗剤と道具の代用で解決!

専用のクリーナーが手元になくても、汚れの性質を理解していれば、家にある一般的な漂白剤で洗濯槽のカビは十分に撃退できます。

視覚的に汚れをごっそり落としたいなら「酸素系漂白剤(オキシクリーン)」とお湯を、手間なく溶かして殺菌したいなら「塩素系漂白剤(ハイター)」を選びましょう。そして、浮いてきた汚れをすくう網がない時は、ハンガーとストッキングで作る代用ネットが最強の武器になります。

もしワカメ地獄に陥ってしまったら、焦らず塩素系漂白剤で仕上げ洗いをしてください。一度リセットした後は、月1回の簡単な塩素系漂白と、日々の「蓋開け乾燥」を習慣にして、いつでも清潔な洗濯機で気持ちよくお洗濯ができる環境をキープしましょう。

\溜まった汚れをリセットしたいなら!/

コメント