「衣類乾燥機を毎日使いたいけど、1ヶ月の電気代が心配…」と感じていませんか?
雨の日や忙しい日に大活躍する衣類乾燥機ですが、ランニングコストがどれくらいかかるのかは、購入を検討する上で重要なポイントです。乾燥方式や使い方によって電気代は大きく変わるため、ご家庭の状況に合った製品を選ぶ必要があります。
この記事では、衣類乾燥機にかかる1回あたりの電気代から、主要メーカーであるパナソニック、日立、アイリスオーヤマの製品比較、さらにはガス代やドラム式洗濯乾燥機との違いまで、あなたの疑問を解消するために徹底的に解説します。
- 衣類乾燥機の種類別の電気代の目安
- 主要メーカーごとの特徴とコスト
- 電気代を抑えるための具体的な節約術
- ライフスタイルに合った乾燥機の選び方
衣類乾燥機の電気代1ヶ月分の目安は?
- 衣類乾燥機の1回あたりの電気代
- ヒートポンプ式とヒーター式の比較
- ドラム式洗濯乾燥機との電気代の違い
- ガス式乾燥機はガス代も考慮する
衣類乾燥機の1回あたりの電気代

衣類乾燥機の電気代を考えるとき、まずは1回の使用でどれくらいの費用がかかるかを把握することが大切です。電気代は、消費電力と使用時間によって決まります。基本的な計算式は以下の通りです。
電気代の計算式
消費電力量(kWh) × 電気料金単価(円/kWh) = 1回あたりの電気代
※消費電力量(kWh) = 消費電力(W) ÷ 1000 × 使用時間(h)
電気料金単価は契約している電力会社によって異なりますが、この記事では公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会が定める目安単価の31円/kWh(税込)で計算します。
乾燥方式によって消費電力が大きく異なるため、1回あたりの電気代にも差が出ます。主要な2つの方式で見てみましょう。
このように、同じ衣類乾燥機でも方式が違うだけで、1回あたりの電気代に2倍以上の差が生まれることがあります。
ヒートポンプ式とヒーター式の比較

電気式の衣類乾燥機には、主に「ヒートポンプ式」と「ヒーター式」の2つの乾燥方式があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。どちらを選ぶかによって、初期費用やランニングコスト、衣類への影響が大きく変わるため、違いをしっかり理解しておくことが重要です。
ここでは、両者の特徴を表で分かりやすく比較します。
項目 | ヒートポンプ式 | ヒーター式 |
---|---|---|
乾燥の仕組み | 空気中の熱を集めて利用し、湿気を除湿しながら60℃前後の低温風で乾かす。 | 内蔵ヒーターで空気を加熱し、80℃前後の高温風で乾かす。 |
1回あたりの電気代 | 約19円~30円 | 約45円~65円 |
本体価格 | 高価な傾向(15万円~) | 比較的安価(5万円~) |
衣類への影響 | 低温のため縮みや傷みが少ない | 高温のためデリケートな衣類は縮む可能性あり |
乾燥時間 | やや長め | 比較的短い |
ヒートポンプ式のメリット
最大のメリットは、圧倒的な省エネ性能です。毎日のように乾燥機を使う家庭であれば、長期的に見て電気代を大幅に節約できます。また、低温で乾かすため、デリケートな衣類や縮みが心配な服も安心して乾燥させられる点も魅力です。
ヒーター式の注意点
ヒーター式は本体価格が手頃な点がメリットですが、電気代は高くなる傾向があります。使用頻度が少ない方には向いていますが、毎日使う場合はランニングコストが負担になる可能性を考慮する必要があります。また、高温乾燥のため、衣類の素材によっては傷みや縮みが起こりやすい点にも注意が必要です。
ドラム式洗濯乾燥機との電気代の違い

「衣類乾燥機」には、洗濯機能とは別の単体の「専用乾燥機」と、洗濯から乾燥まで一台で行える「ドラム式洗濯乾燥機」があります。両者の電気代は、搭載されている乾燥方式によって決まるため、一概にどちらが安いとは言えません。
重要なのは、単体か一体型かではなく、その製品が「ヒートポンプ式」か「ヒーター式」かという点です。

電気代を節約したいなら、単体乾燥機でも洗濯乾燥機でも、「ヒートポンプ式」を選ぶのが正解です。ご自身の設置スペースや予算に合わせて、どちらのタイプにするか検討するのがおすすめです。
ドラム式洗濯乾燥機は、洗濯物を移し替える手間が省けるという大きなメリットがあります。一方で、乾燥中は次の洗濯ができないというデメリットも。ご自身のライフスタイルに合わせて選びましょう。
ガス式乾燥機はガス代も考慮する

衣類乾燥機には電気式の他に「ガス式」も存在します。リンナイの「乾太くん」などが有名で、パワフルな温風で素早く乾かせるのが最大の特徴です。
ガス式乾燥機のメリットとデメリット
メリット:
圧倒的な乾燥スピードです。電気式の約半分の時間で洗濯物をふんわりと乾かすことができます。特に、洗濯物が多いご家庭や、すぐに乾かしたいというニーズがある場合に非常に強力な選択肢となります。
デメリット:
導入には初期費用がかかる点です。設置にはガス栓の増設や排湿ダクトのための壁の穴あけ工事が必要になる場合が多く、本体価格に加えて工事費用が発生します。
光熱費はトータルで判断が必要
ガス式乾燥機は、運転中に電気とガスの両方を使用します。1回あたりの電気代は約10円前後と安いですが、当然ながらガス代が別途発生します。
都市ガスかプロパンガスかによってガス料金は大きく異なるため、電気式と比較する際は、ご家庭で契約しているガスの単価を元に、電気代とガス代を合わせたトータルの光熱費で比較検討する必要があります。
メーカー別に見る衣類乾燥機の電気代1ヶ月分
- 省エネなパナソニックのモデル
- パワフルな日立の乾燥機能
- アイリスオーヤマの特徴
- 電気代を抑えるための節約術
- 賢い衣類乾燥機の選び方
- 衣類乾燥機の電気代1ヶ月分の総まとめ
省エネなパナソニックのモデル

パナソニックは、衣類乾燥機や洗濯乾燥機の分野で高い技術力を誇り、特に省エネ性能に優れたヒートポンプ式モデルで人気を集めています。ランニングコストを重視するなら、まず検討したいメーカーの一つです。
ヒーター式衣類乾燥機「NH-D603」
こちらは単体の電気衣類乾燥機で、ヒーター式を採用しています。公式サイトの仕様によると、標準的な使用での1回あたりの電気代は約40円(消費電力量約1.3kWhで計算)が目安です。毎日1回使用した場合、1ヶ月の電気代は約1,200円となります。ヒーター式としては標準的なコストですが、パナソニック独自の工夫で効率的な乾燥を実現しています。(参照:パナソニック公式サイト)
ドラム式洗濯乾燥機「NA-LX129C」
こちらは最上位モデルのドラム式洗濯乾燥機で、省エネ性能が非常に高い「はやふわ乾燥 ヒートポンプ」を搭載しています。エコモード使用時の1回あたりの電気代は、なんと約19円(消費電力量約0.6kWhで計算)。毎日使用しても1ヶ月の電気代は約570円に収まります。初期費用は高価ですが、頻繁に乾燥機能を使う家庭にとっては、長期的に見て非常にお得な選択肢と言えるでしょう。(参照:パナソニック公式サイト)
パナソニックのヒートポンプ式は、大風量でシワを抑えながら素早く乾かす技術に定評があります。仕上がりの質を重視する方にもおすすめです。
パワフルな日立の乾燥機能

日立の衣類乾燥機は、独自の技術でパワフルな乾燥と省エネを両立させているのが特徴です。特に「ヒートリサイクル乾燥」方式は、他のメーカーにはないユニークな機能として注目されています。
ヒートリサイクル乾燥機「DE-N60HV」
このモデルは、運転中に発生する熱を再利用する「ヒートリサイクル乾燥」方式を採用しています。これにより、従来のヒーター式の弱点であった消費電力を抑えつつ、力強い乾燥を実現しています。
公式サイトによると、1回あたりの電気代の目安は約46円(消費電力量約1.5kWhで計算)。これを毎日使うと、1ヶ月の電気代は約1,380円となります。純粋なヒーター式よりは若干コストを抑えられ、ヒートポンプ式よりも導入しやすい価格帯なのが魅力です。省エネと初期費用のバランスを重視したい方に向いています。(参照:日立公式サイト)

日立の製品は、衣類の乾き具合をセンサーで検知して自動で運転を停止する機能も優れています。これにより、無駄な運転を防ぎ、さらなる節電に貢献してくれるのも嬉しいポイントですね。
アイリスオーヤマの特徴

アイリスオーヤマは、シンプルで使いやすい機能と、コストパフォーマンスの高さで人気のメーカーです。衣類乾燥機の分野でも、手頃な価格帯のモデルを多数展開しており、初めて乾燥機を導入する方や、使用頻度はそれほど高くないという方から支持されています。
ふとん乾燥機カラリエ(衣類乾燥モード付き)
アイリスオーヤマは単体の大型衣類乾燥機よりも、ふとん乾燥機に衣類乾燥機能を付けた製品が主力です。例えば「カラリエ」シリーズは、付属のアタッチメントを使うことで、少量の洗濯物を部屋干しする際に素早く乾かすことができます。
消費電力は約500W~760W程度のモデルが多く、仮に760Wのモデルを2時間使用した場合の電気代は約47円となります。毎日使用した場合の1ヶ月の電気代は約1,410円です。一度に大量の衣類は乾かせませんが、「あと少し乾かしたい」「急いでこの服だけ乾かしたい」といったニーズにピンポイントで応えてくれるのが魅力です。(参照:アイリスオーヤマ公式サイト)
本格的な衣類乾燥機よりもコンパクトで収納場所に困らず、ふとん乾燥や靴乾燥など多目的に使えるのがアイリスオーヤマ製品の強みと言えるでしょう。
電気代を抑えるための節約術

衣類乾燥機は非常に便利な家電ですが、使い方を少し工夫するだけで、月々の電気代をさらに抑えることが可能です。ここでは、今日から実践できる具体的な節約術を4つご紹介します。
1. 自然乾燥と組み合わせる
最も効果的な節約術は、乾燥機の運転時間を短くすることです。天気の良い日は外干しや部屋干しである程度乾かしてから、仕上げに乾燥機を使いましょう。完全に乾いていなくても、水分がある程度飛んでいるだけで、乾燥時間は大幅に短縮できます。
2. 定格容量を守り、まとめ洗いする
洗濯物を少量ずつ何度も乾燥させると、その都度エネルギーを消費してしまい非効率です。逆に、一度に詰め込みすぎると乾きムラができてしまい、追加で運転が必要になることも。取扱説明書に記載されている乾燥容量の8割程度を目安に、まとめて乾燥させるのが最も効率的です。
3. 乾燥フィルターをこまめに掃除する
乾燥フィルターには、乾燥のたびに衣類の糸くずやホコリが溜まります。ここが目詰まりすると空気の通り道が塞がれ、乾燥効率が著しく低下してしまいます。結果として、余計な運転時間と電気代がかかる原因に。使用するたびにフィルターのホコリを取り除くことを習慣にしましょう。
4. 洗濯時に脱水時間を少し長めにする
乾燥機に入れる前の衣類の水分量が少ないほど、乾燥時間は短くなります。洗濯機の脱水時間を通常より少し長めに設定したり、脱水力の強いモードを選んだりするのも効果的な方法です。特にタオルや厚手の衣類に有効です。
賢い衣類乾燥機の選び方

ここまで様々な種類の乾燥機を見てきましたが、最終的にどの製品を選べば良いか迷う方もいるでしょう。ご自身のライフスタイルや何を重視するかによって、最適な一台は異なります。ここでは、後悔しないための選び方のポイントをまとめます。
選ぶ際の3つのチェックポイント
- 使用頻度で選ぶ
毎日使う・洗濯物が多い家庭 → 電気代が安いヒートポンプ式が断然おすすめ。初期費用は高くても、数年で元が取れる可能性があります。
週に数回、雨の日だけ使う → 本体価格とランニングコストのバランスが良いヒーター式(特に日立のヒートリサイクル式など)が向いています。 - 予算と設置場所で選ぶ
初期費用を抑えたい → ヒーター式やアイリスオーヤマの多機能乾燥機が候補になります。
設置スペースが限られている → 洗濯から乾燥まで一台で済むドラム式洗濯乾燥機が便利です。 - 重視する機能で選ぶ
衣類へのダメージを最小限にしたい → 低温で優しく乾かすヒートポンプ式が最適です。
乾燥スピードを最優先したい → 工事可能であればガス式乾燥機が最もパワフルです。
これらのポイントを参考に、ご家庭にとって最もコストパフォーマンスの高い衣類乾燥機を見つけてください。
衣類乾燥機の電気代1ヶ月分の総まとめ
- 衣類乾燥機の1ヶ月の電気代は乾燥方式で大きく変わる
- ヒートポンプ式なら月々約500円から600円が目安
- ヒーター式の場合は月々約1,200円から1,400円が目安
- 電気代の安さを最優先するならヒートポンプ式が最適
- 本体価格の安さを重視するならヒーター式が選択肢
- パナソニックは省エネ性能の高いヒートポンプ式に強み
- 日立は熱を再利用するヒートリサイクル式が特徴
- アイリスオーヤマは多機能性とコストパフォーマンスが魅力
- ガス式乾燥機は乾燥が速いがガス代と工事費が必要
- ドラム式洗濯乾燥機の電気代も搭載されている乾燥方式で決まる
- 乾燥機の運転時間を短くすることが最大の節約術
- ある程度自然乾燥させてから仕上げに使うのが効果的
- フィルターの定期的な掃除は乾燥効率の維持に不可欠
- 洗濯物の詰め込みすぎは乾きムラの原因になり非効率
- ご家庭の使用頻度や予算に合わせて最適な方式を選ぶことが重要
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