ベランダを第二のリビングとしておしゃれに活用したいと考える方は多いですが、実際にベランダマットを敷いてみると掃除のしにくさに驚くことが多々あります。
お手入れを怠ると、マットの下に砂埃や髪の毛が溜まり、それが湿気を吸ってカビや不快な虫の温床になるというデメリットも存在します。せっかくのリラックス空間が、不衛生な場所になってしまうのは避けたいですよね。
ベランダマットを導入する際に最も大切なのは、掃除しやすい素材や構造を事前によく検討することです。カインズなどのホームセンターで手軽に購入できる人工芝やジョイントタイルには、それぞれメンテナンス上の特徴があり、掃除機のかけやすさや水はけの良さが異なります。
また、適切な掃除方法を知っておくことで、導入後の後悔を未然に防ぐことができます。
この記事では、清潔で心地よいベランダを保つためのマット選びと、虫や汚れに負けない維持管理のコツを詳しくお伝えします。
- メンテナンス性を重視したベランダマットの素材別の特徴
- 人工芝やタイルを敷くことで発生する汚れや虫のリスクを最小限にする方法
- 掃除機や洗剤を活用した効率的な日常の掃除方法
- 賃貸物件でも床を傷めず安心してマットを楽しむための注意点
掃除しやすいベランダマットを選ぼう!

ベランダを快適な空間にするためのマット選びは、単なるデザインの好みだけでなく、導入後の「掃除のしやすさ」を基準にすることが長期的な満足度に直結します。
屋外という過酷な環境下では、砂埃、排気ガスの煤、そして雨水の影響を避けられません。
ここでは、主要な素材ごとの特性を深掘りし、どのタイプが自分のライフスタイルに合っているかを考えていきましょう。
人工芝は排水性が高い!カインズ製品もおすすめ
ベランダに緑を取り入れたいときに人気の人工芝ですが、実は製品によって「掃除のしやすさ」に大きな差が出ます。
私が注目しているのは、裏面に透水穴(ドレンホール)がしっかり配置されているタイプです。水はけが悪いと雨上がりにいつまでも湿気が残り、カビの原因になってしまいます。
ホームセンターのカインズなどで扱っている「リアル人工芝」のような製品は、機能性と価格のバランスが良いことで知られています。
特に、芝の長さ(パイル長)が30mm前後のものは、クッション性がありながらもゴミが奥まで入り込みすぎず、掃除が比較的しやすいのが特徴です。芝丈が長すぎると、髪の毛やペットの毛が絡まったときに取り除くのが一苦労なので、管理のしやすさを優先するなら30mm程度を目安にすると良さそうです。
また、裏面の構造も見逃せません。安価な製品の中には排水穴が少なかったり、穴が開いていなかったりするものもあり、そうした製品は雨水が表面に残りやすく、カビや藻が発生する原因となります。
高品質な製品は、一定間隔でしっかりと穴が設けられており、水がスムーズに下地へ流れるよう設計されています。水はけが良いということは、掃除の際に水を流して汚れを落とす「水洗い」が効率的に行えることを意味します。人工芝の繊維にはポリプロピレンやポリエチレンが使われており、素材自体は無機質でカビにくいですが、パイルの間に溜まった「有機物の汚れ」がカビのエサになるため、水でしっかりと洗い流せる構造であることが不可欠です。
人工芝の掃除を楽にする選び方のポイント
- パイル長は30mm前後が目安
- 裏面の排水穴の数と大きさを確認
- 抗菌・防カビ・消臭機能が付加された高機能タイプを検討
人工芝のパイル復元と掃除の関係
長く使っていると人工芝のパイルが寝てしまい、その隙間にゴミが隠れて掃除機で吸い出しにくくなることがあります。これを防ぐには、定期的にデッキブラシを使って、芝の流れに逆らうようにブラッシングすることが有効です。
芝を立たせることで通気性が良くなり、内部に溜まった砂塵を表面に浮かせることができるため、掃除の効率が飛躍的にアップします。
ジョイントタイルは目地のゴミ詰まりに注意

パズルのように組み合わせて設置するジョイントタイルは、見た目に高級感が出るため、テラスのような空間を作りたい方に人気があります。しかし、掃除の面では「目地(ユニット同士の隙間)」が最大の難所になります。
表面はセラミックや樹脂製なので、掃き掃除や水拭きで簡単に綺麗になりますが、隙間から落ちた小さな枯れ葉の破片や土埃が、タイルの下にどんどん蓄積していきます。これを放置すると、湿気と混ざってヘドロのようになり、悪臭の原因になることもあります。
掃除しやすさを考えるなら、1枚ずつの着脱が簡単な軽量タイプを選ぶか、裏側の足(リブ)が高くなっていて、水と一緒にゴミが流れやすい構造のものを選ぶのが賢明です。
高品質なセラミックタイルは表面の耐久性が非常に高い反面、重量があるため「めくって掃除する」という作業が重労働になりがちです。最近では、見た目はリアルな石目調ながら、軽量な樹脂で作られたタイプも増えています。これらは1枚あたりの重量が軽いため、数ヶ月に一度の「裏面掃除」のハードルを大幅に下げてくれます。
美観とメンテナンスの頻度を天秤にかけて選ぶのが、失敗しないコツと言えます。
ジョイントタイルは、数ヶ月に一度は「めくって下の床を掃除する」作業が必要になることを覚えておきましょう。
重量のある石材タイプは、この作業がかなり重労働になるため注意が必要です。
アウトドアラグなら丸洗いが可能で衛生的
「常に敷きっぱなしにするのは不衛生かも」と心配な方におすすめなのが、屋外用のアウトドアラグです。ポリプロピレンなどの水に強い素材で編まれており、汚れたらそのまま丸洗いできるのが最大のメリットです。
軽量なので、ベランダの床を掃除したいときはサッと持ち上げて移動させるだけです。これなら、ベランダの防水層にゴミが溜まる心配もありません。「清潔さを最優先したいけれど、足元に彩りが欲しい」という場合には、必要なときだけ広げるスタイルが最も管理しやすいと感じています。
また、ラグをどかした後のベランダの床も、何もない状態で一気に掃除機やホウキをかけられるため、結果として掃除の時短に繋がります。
マンションなどの集合住宅では、排水溝の詰まりが原因で階下へ水漏れを起こしてしまう事故も報告されているため、リスク管理の面でもラグは非常に優れた選択肢です。必要に応じて撤去できる可搬性は、掃除のしやすさを定義する上で重要な要素の一つと言えます。
使わない時は丸めて収納しておけば、紫外線による劣化も防げるため、長く愛用できるのも嬉しいポイントです。
防水シートは拭き掃除だけでお手入れ簡単

実用性を追求するなら、継ぎ目の少ない防水シートやクッションフロアを敷くという選択肢もあります。表面が平滑なので、掃除機をかけるのも雑巾で拭くのも非常にスムーズです。ゴミが下に入り込む隙間がほとんどないため、「最も掃除が楽な床材」と言えるでしょう。
ただし、設置には少し工夫が必要です。床に接着剤で固定できない賃貸物件などの場合、シートの端から水が入り込むと裏側でカビが発生しやすくなります。設置する際は、定期的に端をめくって風を通すか、通気性を確保できる下地シートを併用するなどの対策を検討してみてください。
表面の掃除のしやすさは抜群ですが、設置環境や気候に左右されやすいという側面も理解しておく必要があります。
太陽の熱でシートが伸び縮みし、端が反り返ってしまうこともあります。掃除のしやすさは抜群ですが、長期的な美観を保つためには、時々シートをめくって裏側に水分が溜まっていないかを確認することが不可欠です。
室内と同じようにクイックルワイパーなどでササッとお手入れできる手軽さは、忙しい方にとって大きな味方になるはずです。
デメリットを把握して最適な床材を選ぶ

ベランダマットを導入することで得られる「おしゃれな空間」や「床の保護」といったメリットの裏側には、必ずいくつかのデメリットが隠れています。
掃除のしやすさを求めて情報を探している方は、以下の比較表を参考に、自分がどの手間に耐えられるかを検討してみてください。
| 床材の種類 | 表面の掃除 | 裏側の掃除 | 虫・カビリスク | 特徴まとめ |
|---|---|---|---|---|
| 人工芝 | 中(掃除機必須) | 低(めくりにくい) | 中 | 見た目重視派向け |
| ジョイントタイル | 高(水洗い楽) | 低(ゴミが溜まる) | 高 | 高級感・耐久性重視 |
| アウトドアラグ | 高(丸洗い可) | 高(すぐ動かせる) | 低 | 清潔・手軽さ重視 |
| 防水シート | 最高(拭くだけ) | 中(めくれば可) | 中 | 実用性・清掃性重視 |
掃除しやすいベランダマット|キレイを保つ管理方法
適切なマットを選んだ後、その美しさと清潔さを長く保つためには、正しい「掃除方法」と「予防策」をセットで行うことが重要です。
屋外の汚れは時間が経つほど固着し、除去が難しくなるため、効率的なメンテナンス術をマスターしましょう。
虫やカビを防ぐには裏面の通気性が重要

「ベランダマットを敷いたらゴキブリが出た」という恐ろしい話を耳にすることがあります。これは、マットの下が虫にとっての「三拍子(エサ・水分・隠れ家)」を完璧に満たしてしまった場合に起こります。
虫やカビを防ぎ、掃除しやすい環境を作るための最大の鍵は「通気性」です。
マットの下に溜まった湿気を逃がすために、最も効果的なのは「床との隙間」を意識することです。
ジョイントタイルの場合は、裏のリブが高いものを選ぶのが基本ですが、さらに工夫するなら、排水溝に向けて水が流れるルートを遮らないように設置することが大切です。私は、特にカビが発生しやすいベランダの隅や、排水口周りにはあえてマットを敷かないようにしています。これにより、通気性が劇的に向上し、点検もしやすくなります。
また、排水管を伝ってやってくる虫への物理的対策として、排水口に専用のドレンキャップや防虫ネットを装着することを強くおすすめします。
100円ショップで手に入るストッキングタイプの水切りネットを被せるだけでも、大きな虫の侵入を阻止でき、同時に落ち葉が配管に詰まるのを防いでくれます。こうした小さな「予防」が、結果として大規模な掃除の手間を省くことに繋がります。
豆知識:虫除けと掃除の同時対策
掃除の仕上げに、ハッカ油を混ぜた水をスプレーするのも効果的です。ハッカの香りは虫が嫌うため、清掃後の綺麗な状態を保ちやすくなります。
ただし、マットの素材によっては油分で変質する可能性があるため、目立たない場所で試してから行いましょう。
ベランダでの鳥の被害にお悩みの方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
ダイソン等の掃除機でパイルのゴミを吸引
人工芝の掃除において、ホウキでの掃き掃除には限界があります。パイルの奥に入り込んだ砂やペットの毛を完全に取り除くには、掃除機の吸引力を借りるのが最もスマートな方法です。
特にダイソンのような強力なモーターヘッドを搭載した掃除機は、ブラシが高速回転してパイルの隙間をかき出しながらゴミを吸い取ってくれるため、人工芝が見違えるように綺麗になります。
掃除機をかける際のコツは、一定方向に進むだけでなく、縦・横・斜めといろいろな角度からヘッドを当てることです。これにより、寝てしまったパイルの下に隠れているゴミも効率よく吸い出すことができます。また、掃除機をかける前に全体を軽く叩いて振動を与えると、重力で沈んでいた細かい砂が表面に浮き上がりやすくなります。
ベランダ掃除専用にノズルを用意して、室内用の掃除機と分けることで、室内に屋外の汚れを持ち込む心配もなくなります。
さらに、落ち葉が多い季節にはブロワーを併用するのも一案です。
掃除機で吸う前に風で一箇所に集めることで、掃除機のフィルター詰まりを防ぎつつ、短時間で作業を終えることができます。
日々のこまめな掃除が、パイルを長持ちさせ、素足で歩きたくなる清潔なベランダを維持する秘訣です。
賃貸でも安心な原状回復と色移り対策
賃貸マンションのベランダは、実は「共用部分」であることが多く、退去時には入居時の状態に戻す「原状回復義務」があります。掃除しやすいからといってベランダマットを安易に敷き詰めた結果、床面に取れない跡が残ってしまうと、後で高額なクリーニング費用を請求されるかもしれません。
特に気をつけたいのが、ゴム製品から染み出す成分が防水層を変色させる「可塑剤移行」という現象です。これを防ぐには、直接マットを敷くのではなく、「養生シート」や「通気性の良い下地シート」を必ず一枚挟むようにしてください。
これにより、マットと床の化学反応を防ぐだけでなく、タイルの足による物理的な擦り傷も防ぐことができます。また、大規模修繕の際には全てのマットを一時的に撤去する必要があるため、取り外しが簡単なタイプを選ぶことは、掃除のしやすさだけでなく、こうした「建物のメンテナンス」への対応力にも直結します。
設置の際は、避難ハッチ(脱出用の穴)を塞がないようにすることも重要です。これは消防法に関わる安全上のルールですので、必ず守るようにしましょう。(出典:国土交通省『マンション標準管理規約』)
ウタマロクリーナーや重曹で汚れを落とす

日々のホコリ取りだけでは落としきれない、排気ガスの油汚れや雨だれの跡。こうした汚れには、適切な洗剤を使った「水洗い」が効果的です。
私が長年愛用しているのは、中性洗剤の代名詞とも言える「ウタマロクリーナー」です。スプレータイプで使いやすく、マットの素材を傷めにくいのに、油分を含んだ汚れを浮かせる力が非常に強いのが特徴です。
部分的な汚れには、汚れた箇所にシュッと吹きかけて5分ほど放置し、古い歯ブラシやデッキブラシで軽くこすってください。驚くほど汚れが浮き上がってくるはずです。
もっと環境に優しく安価に済ませたい場合は「重曹」も大活躍します。
ぬるま湯に重曹を溶かしてスプレーしたり、粉のまま振りかけてスクラブのように使ったりすることで、ベランダ特有のベタつきを解消できます。特に、キッチンの換気扇から流れてきた油分がベランダに付着している場合、重曹が非常に有効です。
ただし、洗剤成分をマットの隙間に残したままにすると、それが原因で変色したり、余計にゴミを吸着したりすることがあります。掃除の最後には、バケツやホースでたっぷりの水を使い、洗剤が完全に消えるまでしっかりと洗い流してください。
洗剤を使った後のスッキリとした爽快感は格別ですが、その後の「すすぎ」が掃除の成否を分けます。
ベランダ掃除におすすめの洗剤と使い道
- ウタマロクリーナー:排気ガスの黒ずみや部分的な汚れに
- 重曹:全体のベタつき解消や消臭対策に
- クエン酸:水垢汚れや鳥のフンの分解に(※石材やコンクリートには注意)
まとめ:掃除しやすいベランダマット

ベランダマットを敷くことで、無機質だったベランダが自分だけのお気に入りの場所に変わります。その楽しみを長く続けるために最も大切なのは、「掃除しやすい」という視点を忘れないことです。
マット選びの段階から、週に一度の掃除機がけや、数ヶ月に一度のめくり洗いを具体的にイメージしてみてください。
人工芝なら30mm程度の適切なパイル長を選び、ジョイントタイルなら軽量で水はけの良いものを選ぶ。そして、ラグやシートを賢く併用することで、掃除の負担は驚くほど軽くなります。
ベランダは常に外気にさらされているため、汚れがゼロになることはありませんが、今回ご紹介した「予防」と「正しい掃除方法」を組み合わせれば、清潔で健康的な状態を長く保つことができます。
最後になりますが、お住まいの住宅のタイプやベランダの耐荷重、管理規約によっては、設置できるマットの種類に制限がある場合があります。正確な情報は必ずメーカーの公式サイトやマンションの管理細則をご確認ください。
また、防水層の劣化が見られる場合は、マットで隠さずに、まずは専門業者に点検を依頼することをおすすめします。掃除しやすいベランダ作りを通して、皆様の毎日がより豊かで、笑顔あふれるものになることを心から願っています。
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今回は、すでにあるベランダを快適にするための情報をお届けしましたが、もし、あなたが積水ハウスでの家づくりを検討中であれば、頼れる相談窓口があるのでご紹介します。
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